平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

静岡県立美術館 『富士山の絵画展』 2013/09/07

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( ↑ )静岡県立美術館 芳賀徹館長  相変わらず声に力がある。


静岡県立美術館で9月7日から開催される『富士山の絵画展』(2013.9.7 - 10.20)の内覧会に出かけた。

展示は「富士山と信仰」「富士山と三保松原」「富士山と白糸ノ滝」「富士山百景 富士見のトポス」の全4章で構成されている。

改めて実感したことは、富士山は、掛け軸というメディアと実に相性のいい存在であるということだ。むろん屛風の中に鎮座する富士山にも名品は多いが、掛け軸は構図そのものが、縦長、真四角、横長ありで、そうして二重、三重の「窓」に縁取られた特徴を有するメディアである。その「制約」がむしろさまざまな表情の富士山を際立たせている。

なかでも、第1章(第1室)に展示されていた木村蒹葭堂筆 福原承明賛『富士山図』(1762)の一幅は、他の多くの富士山がその裾野までを描ききろうとして、かえって小さく見えてしまうことがあるが、蒹葭堂はその画面の中で、敢えて富士山を縦に真っ二つに切り裂くように左半身を描いてみせた。何とも大胆極まりない構図である。手前に小さくある山々が、富士山の存在を更に大きく見せている。
一見墨に見えるその色は、青が確かに混じっていて、大胆であり、同時に爽やかな印象を与えることに成功している。


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◆静岡県立美術館公式サイトより
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2013/03.php

・展示作品一覧
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2013/03_sakuhin_list.php



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日本平からの「富士山ノ図屛風」(ピクチャーウィドー)を眺めようとしたが叶わず。本来なら、ここからの富士の眺めはこんなふうなのですが。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1869.html




【脳内探訪内の富士山ノ図】
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1924.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1920.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1923.html




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