三保と能とエレーヌ・ジュグラリス 2013/06/01
( ↑ )夫マルセルによって寄贈されたエレーヌの遺品は清水中央図書館に保管されている。
そのわずか6分26秒のショートフィルムは、こんなメッセージから始まる。
その昔、素朴な人々が美しい富士山の下で平和な生活をおくり三保の松原をこよなく愛していた
この人々の愛情から羽衣の伝説が生まれた
きれいな天女が一人の漁夫のために踊ったこの羽衣の伝説は今も全世界の美を愛する人々にささげられている
そしてエレーヌが生涯を賭けしたこの仕事に美しい感心をもつすべて人々に私は今亡き彼女に代わって深い感謝をさゝげる マルセル・ジュグラリス
・撮影/八幡治夫、編集/伊勢長之助、音楽/三木鶏郎、制作/マルセル・ジュグラリス
フランスの舞踏家エレーヌ・ジュグラリス(1916-1951)は、1941年頃、日本の能を知り、独学で研究する。49年には巴里ギメ美術館ホールで能「羽衣」を上演。三保の地を訪れることを夢見ながら、公演中病に倒れ51年35歳の若さで逝く。
そんな彼女の思いを偲び、清水の三保に「羽衣の碑」を建てることになる。その除幕式(1952年11月1日)の記録映画が『エレーヌへの賛歌』として市に保存されていた。
静岡市美術館がイベント「シズオカ×カンヌウィーク」(2013年5月18日〜26日)のために目を付け、館内で展示・放映した。フィルムの歴史的価値に加えて、この見つけ出して来て、現在開催中の藤田嗣治との「関係の発見」をしたことにこそ価値がある。むりくり世界文化遺産に絡めないところも好感が持てる。
( ↑ )天女が舞い降りた松へと向かうそのコースからは逸れた場所にひっそりと建つ碑。ほとんどの人がこの碑を見ないで帰り足を急ぐ。
( ↑ )三保の松原の前に広がるのは水深2500㍍の駿河湾。遠方に伊豆半島が見える。
( ↑ )三保から富士山を臨む・・と言いたいところだが、この日はあいにくの曇り空で「不二の山」は見えず。
このところ急に賑やかになった清水の三保。帰りに、223(にーにーさん)カフェに立ち寄る。223は「ふじさん」でもある。このカフェも世界文化遺産か(汗)!
☆静岡市駿河区聖一色654-6
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