平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

巨大な鳥の巣? いや、人間の巣?  2018/04/23

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ある日、森の中に巨大な「巣」が出現した。
現場は京丹波、わち山野草の森(京都)。標高173mの天蓋山(てんがいやま)、12haの園内には川が流れ、約180種類の樹木、720 種類の山野草が四季折々の表情を見せる。
巨大な巣の出現は、この森で行われた「森の展示室」と名付けられたアートイベントでの出来事である。

巣は、建築家・大橋史人さん(静岡市)と茅葺き職人・相良育弥さん(神戸市)の仕事である。自然の中にさし込まれた巨大な「異物」は、園内で調達した梅の枝を何日もかけ、幾重にも編み込んでつくられた。見方によっては、卵や繭を彷彿とさせる。もしかしたら子宮を想像した人もいるかもしれない。そう考えると、この巣に入り込んで、まったりとした表情を見せていた中年男性の思いも汲み取れる。

大橋さんは、この作品を鳥の巣と呼んでいる。だが、わたしから見ると、それは鳥の巣というよりも、人間の巣そのものに見える。漢字「巣」におけるツかんむりが、鄙が巣から顔を覗かせている象形なら、それが人間の顔にすげ替えて見えて、想像するだけでも滑稽である。また巣がひな鳥にとって巣立つまでの仮の宿だとするなら、大橋さんのネーミング「鳥の巣」という名称もまた仮の名であろう。

訪れた日は巣の中に入るための長い順番待ちの列ができていて、わたしなんぞはついぞ入るのを諦めてしまったが、巣から出てきた老若男女の嬉々とした表情を見ていると、自分が入るのを諦めてしまったことを大いに悔いた。

森の中に異質なモノを持ち込むことで見る者に某かを考えさせるという行為も表現だが、山川草木に分け入って材料のすべてをそこから調達し、新しい体験価値を創りだしていくのもアートの役割だろう。大橋さんと相良さんは、それをやってのけた。



◆大橋さんは、昨年度の「森の展示室」における〈クマガイソウ〉、茶エンナーレにおける〈音連庵〉と続き、今回の〈鳥の巣〉とステップを踏んだ。次はどこに向かって羽ばたくのだろう。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/2296.html

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/2351.html


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(↑)巣の材料となった梅の枝。触ってみると思いの外しなって、手に馴染んだ。

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(↓)つらい想い出のキャンパス、ウン十年振り・・(涙)

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