平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

掛川現代アートプロジェクトvol.5 「霜月の宵 夜の美術館とトークショー  優游涵泳」 2011/11/06

kga2


kad5


自らを現代アートのチアリーダーと名乗る山口裕美さん。
山口さんの運びにはいつも唸る。パネラーは、一気に核心へと導かれる。

kga2


建築がご専門だった土屋公雄さんは、主に海外で建築、家、マテリアル(建築材)を素材とテーマに、彫刻・環境アートという手段を使ってメッセージを発信されている。



掛川現代美術研究会(山本和子代表)が、現代美術ジャーナリストの山口裕美さんにプロデュースを依頼して始まった「掛川現代アートプロジェクト」は今年度で早5回目を迎えた。
Vol.5は 「霜月の宵 夜の美術館とトークショー 優游涵泳(ゆうゆうかんえい)」 。この企画は、毎年このプロジェクトに深く係わるアーティストの紹介を兼ねたトークセッションと、年をまたいでおこなわれる現代アート茶会の二つがセットとなっておこなわれる。

今年度は、彫刻家であり環境造形アーティストである土屋公雄さんが掛川を舞台に腕を揮う。11月5日におこなわれたトークセッションでは、来年二月におこなわれる茶会において一体どんな茶道具が披露されるのかは、一切明かされることはなかった。ただし、別の席で土屋さんは、こうおっしゃった。
「今、何度も実験を繰り返しています。まだうまくいっていませんが・・・来年二月には間に合うかな・・・(笑)」と。
さて、この世界的に有名な彫刻家が掛川の茶会のために用意するお道具とは一体どんなものであろう。想像はできても、それを実際目にするのは、たとえスタッフであっても、来年の茶会ギリギリを待たねばならない。

トークセッションでは、土屋さんと昵懇の仲である掛川市在住の版画家 柳澤紀子さんがスペシャルゲストとしてご登壇された。
柳澤さんは言う。
「今の時代、アートは何でもありだ、とよく言われている。でも、実際はそんなことはない。ほとんどが(アートではなく)フェイクである。本物のアートは限られている」。
考えてみたら、いつの時代でも、その時代、時代において、現代アートは常に「その時代の何でもあり」のようなカッコウにみられてきたし、そうして必ず多くのフェイクがつきまとった。ある作品を前にして「なぜこれがアートなの?」と自然と問を立ててしまうが現代アートなら、「いったいぜんたい、なぜこれがアートなの?」と首をかしげてしまうのがフェイクである。柳澤さんのボディーブローはヘビー級である。
柳澤さんはたたみ掛けるように説く。
「目が汚れるようなものは観てはいけない。そんなところへ出掛けて行ってはいけない」。


今から、来年二月の現代アート茶会が本当に楽しみである。

そうそう、このプロジェクト、ボランティアのみなさんの下支えが常にすばらしい。本当にご苦労さまでした(みなさんの存在とご活躍はずっと注目していますよ)。


◎これまでの「現代アート茶会」
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1708.html



kga4 kga3


kga1


早5回目となるこのプロジェクトも、掛川現代美術研究会の山本和子代表の、山口さんへの矢継ぎ早のメールと電話から流れ出した。


この場にアップした内容は、その後ペンを入れる場合があります。
※今日現在、twitter上でつぶやかれている平野雅彦さんは、私平野雅彦ではありません。


バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を100件に選択すると見やすくなります。

現在地:トップページ脳内探訪(ダイアリー)

サイトマップ