平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

山口裕美さんの観光アート   2010/12/02

sm2



yamaguchi1

静岡新聞より




アートプロジェクトeAT金沢(イートかなざわ)99総合プロデューサーでもある山口裕美さんは、初心者へ向けてアートを噛みくだいて伝える専門家でもある。噛みくだいてといってもそれは「薄く書く」こととはまったく違う。入門としておさえておいた方がいいことをきちんと差し出すというスタンスをもって、入門の入門としているのである。彼女は『現代アート入門の入門』(光文社新書)でもその腕前を遺憾なく発揮してみせた。何よりも、本書のタイトルが「アート観光」ではなく「観光アート」であることに注目したい。これは単純にアート観るための旅行といった意味だけでなく、アートの力が観光を根本から変えてしまう、という可能性を秘めたワードである。単純にアートを観る観光という行動ではなく、「観光アート」は思想なのである。


今回山口さんが書かれた『観光アート』(光文社新書 2010)は、国土交通省観光庁の政策とも合致するものであるが、まあ、それはされておき、観光とアートが結び付くことで新しい人口の流入を創り出す可能性を大いに秘めている。
本書中盤以降は各地域を代表する美術館とそのコレクション、みどころ、ミュージアムショップ情報などが1ページ1館ずつコンパクトにまとめられている。

山口さん自らが先回りして答えているが、この美術館案内の部分は専門家からみると物足りないという指摘を受けるかもしれない。だが、ここに書かれている情報をミュージアム情報のエントランスとして位置づけ、その先は自分で調べてみればいい。ミュージアムの入り口まで山口さんにご案内頂いて、あとは自らの視点で楽しむという嗜好だ。
存分に楽しんだ後、もう一度「情報エントランス」で山口さんと待ち合わせをするという読書法だ。


参考サイト ぜひお読みください

・山口裕美さんは、掛川現代アートプロジェクトの総合プロデューサーでもある。このプロジェクトでは、地元掛川の山本和子さんをはじめ多くのスタッフが活躍している。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1069.html
『観光アート』P110から、掛川現代アートプロジェクトについてもページを割かれている。

・ eAT金沢 
http://eatx.bp-musashi.jp/

yamaguchi2


この場にアップした内容は、その後、ペンを入れる場合が多々あります。

バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を100件に選択すると見やすくなります。

現在地:トップページ脳内探訪(ダイアリー)

サイトマップ