二枚で過ごした今年の夏 2009/10/08

平野雅彦さんは、いつ見ても白いシャツか黒いシャツしか着ていないので、二三枚しか服を持っていないのではないかと思われているかもしれない。だが彼の名誉のためにも云っておくが、平野さんは多分一般的な男性に比べてかなりの衣装持ちである。何を隠そう、彼は同じブランドのシャツを九十枚近くも持っている。その90枚は、見かけはほとんど変わらない。胸ポケットのわずかなデザインの違いや、襟元のほんの少しのラインの流れ、黒の微妙な濃淡の差、その程度の違いがあるくらいだ。ジャケットも同様らしい。
これらは、今の大学生諸君にはまったく実感がないと思われるが、例の「バブルの遺産」というものだ(本人談)。
平野さんは、とっかえひっかえ、これらのシャツに袖を通してきた。これだけあれば、もう一生服は買わなくてもすんでしまうと安堵の笑みを浮かべながらも、同時に猛省しているようでもある。
そんな平野さんだが、今年の夏は何かがちょっと違っていたという。
平野さんは友人の高部葉子さんに仕立てて頂いたシャツ二枚(一枚はYさんとSさんからの共同プレゼントされたらしい)を交互に羽織って、せいぜいあと一枚程度を取り入れながら、今年の猛暑を乗り切ってしまったという。やればできるじゃないですか、平野さん(洗濯はちゃんとしたんでしょうね〜 し、しましたよ、人聞きの悪いこと言わないでください)。ちなみに今年の夏、外出時に半袖になったのは一度きりだそうだ。そう、平野さんは半袖が苦手である。
彼トーベ・ヤンソンのムーミンには、ムーミンパパが自宅の食器棚に並んでいるたくさんの食器を前に、お皿一枚とコップひとつがあればすべては事足りるのに、なぜこんなたくさんのモノにあふれているのかと自らに問いただすシーンがあった。
あ〜 それにしてもモノを持ち過ぎているなあ、と先日平野雅彦さんにお会いしたらかなり真剣に悩んでいる様子であった。

◆沖縄島唄「新良幸人with サンデー」のライブに行く。最近、沖縄に行く友人知人が多く、すっかりわたしも沖縄に行った気分になっている。
さて、彼の喉をふるわせた八重山民謡「月ぬ美しゃ」は十五夜ではなく十三夜がいいと歌っている。
マイクを通さない新良さんの声も聴いてみたい。企画した篠崎さん、ありがとうございました。楽しませて頂きました。
ところで、コンサートでは約束事となっている「アンコール」だが、なぜ講演会や授業にはアンコールの拍手がないのか(9割、真面目に言っている)。次回はわたしが話しをする講演会でもアンコールの拍手がほしいものである(笑)。袖に引っ込んだら、再登場するまで、鳴りやまないあの拍手である。わたしはあのシーンを夢見ている。

◆石州流の華道展に行く。茶の席も楽しませて頂く。
そもそもわたしは茶室という空間が大好きである。常にあの距離感で人と語りたいと思っている。だから宴会場が大の苦手である。なぜ苦手かと言えば、隣の人に呼びかけるだけでもエネルギーを使うからである。大切なことは、大声で呼びかけるよりも小声で伝えるに限る。そういうことだ。
Nさん、Iさん、Mさん、お世話になりました。ありがとうございました。
◆ちなみにきょう10月8日早朝、日本列島を縦断した台風が静岡を過ぎ去ったあとに池を見たら、小ガメが一匹誕生していた。

◆平野さんは、午後からひどい頭痛である。肩がバリバリである。広背筋が鉄板である。きょうはいつもより強力なアンメルツを買ってみた。
※追記 23:28
頭痛薬を飲んだら俄然パワーが湧いてきた。今、本を読みながら、原稿を書き、明日の授業の準備をしている。
※AM1:45 益々加速。
※AM2:15 きょうの授業のためにどうしても確認しておきたいことがあるので、今からある本を探します。果たしても見つかるか(汗) PCの電源を落とします。
※AM6:00 結局見つからず、他の本を読んでしまった(汗)
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