平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

やっぱり朗読が好き  〜木村英里さんの朗読など  2009/08/18

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まだ若かりしころ、当日付き合っていた彼女(たち?)に必ずしてもらうことがあった。 
それは、朗読。
長距離ドライブでは、助手席で朗読をしてもらうのが常で、それはデカルトの『方法序説』だったり、絵本『てぶくろ』であったり、『あなたも名探偵』のような推理ものだったり、『古今集』なんてときもあり、その日の気分であれやこれやと選書を楽しんだ。
実はサラリーマン時代も、長距離を自動車で移動する際には、わたしがハンドルを握り、部下に朗読をお願いした(汗) 会社がある静岡市から伊豆辺りの出張となると、村上春樹の一冊ぐらいは読めてしまうのだ(中でも部下のN川さんは、その素朴なプレゼンテーションには定評があったが、それ以上に朗読の名手であった)。

そんなわけで、今でも朗読が大好きだ。子ども時代から集中力はゼロに等しいが、なぜか朗読だけは別で、すぐに別世界へと引きずり込まれてしまうのである。父親が毎晩のように読み聞かせをしてくれていたのが、クセになっているのかもしれない(といっても貧乏だったため、いつも『家なき子』だったが)。
朗読の何がいいのかといえば、自分自身で読んでいたのではまったく気づかない他の文脈を掴まえることができるからだ(特に哲学書)。これはいつも収穫が大きい。

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伊豆地方に伝わる鵺の物語(一部アレンジ)を語って聞かせる木村英里アナウンサー。
http://mt-man.sut-tv.com/eri/2009/08/post-32.html

kimura

実はきょう、いつも同じテレビ番組でお世話になっているテレビ静岡(フジテレビ系列)のアナウンサー木村英里さんが『妖怪フェスティバル』http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/895.htmlというイベント会場で朗読を披露してくれるというので、打合せの合間にマッハで移動して、約30分間のステージをたっぷりと楽しんできた。あ〜、やっぱり生の声はいいな〜。

普段から自動車の中で、漠然と音楽をかけているなら、今日から朗読をはじめてみたらいかがですか。二人以上でお出かけの際はお勧めです。ETC渋滞にもいいかもしれません(笑)とくに普段、自分では読まないジャンルの本を選ぶのがコツ。別の興味の扉が開きますよ。




ここまで書いて、以前、脳内探訪のどこかに同じ内容で書いたような気がしてきた。まあ、いいか。


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