平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

理由は、生き物が好きだから 〜マイクロプラスチック問題〜  2019/01/10

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◆まずは、近況報告。
昨年8月からまったくblogを更新していない。
授業やレギュラーの仕事に加えて(それだけもいっぱいいっぱいなのに)、次から次へと入って入って来る新たな仕事と相談ごとに対応していたら、いつの間にか自分の能力を遙かに超えたボリュームを抱え込んでいることに気づいた。はたと。時既に遅し。
8月からは、毎月2、3件の対談やパネルディスカンションの進行役が連続し、事前に読み込まなければならない資料が山積みとなり、片付けても片付けても減るどころか山は高くなっていく一方だった。
おまけに、10月末には肋骨にトラブルを抱え、最後は呼吸するのも苦しくなって整形外科に駆け込んだら、大動脈破裂の可能性があるというので循環器科に回された。幸い心電図にも異常が見られず事なきを得たが、未だ完治せず、痛みが続いている(特に寝起き時が大変である)。
そんななか、読書もまあまあできているのだが、自分との約束、アポイントメントはほぼドタキャンばかり。



◆生き物が好きだ。田舎で育ったから当然のように動物も植物もずっと身近な存在だった。昨今、その動植物の生命を脅かす事態が蔓延し始めているらしい。テレビや新聞、雑誌、ローラ(タレント)の周りもかまびすしい。話題は他でもないマイクロプラスチック問題だ。真偽はともかくとして課題が地球規模のため、研究者の論文やメディアの記事にその都度目を通すことでしか真実に近づく方法が分からないが、少なくとも何も問題がないわけではなさそうである。個人的には、20年ぐらい前からプラスチック製品をなるべく使わないように暮らしてきた(環境問題によるものではない)。それが昨年から世論のせいもあって自らの生活のなかでも問題意識が加速した。いろんな情報を入れつつ、知識の修正・更新を繰り返しながら実践へと結び付けている。走りながら考えてみるという態度である。

わたし自身、けっして拳を突き上げて環境問題をいう人間ではない。ただし、繰り返すが、生き物が好きである。仮に、かれらに人間の無自覚さが原因で被害が及んでいるとしたら、それは問題である(たまたま亀の目にストローが刺さったことをヒステリックに取り上げているに過ぎないし、社会的に影響力のある人が、無自覚に世論に賛同していることの方が問題だ、と指摘している科学者もいる。わたしはこの態度をあまりにも傲慢だとみている)。だから、自分にできることから始めてみることにした、ということだ。具体的に言えば、以下の取り組みである。

・プラスチックが諸悪の根源ではなく、その処理方法にも大きな課題がある、という理解が前提にある。
その上で・・・
・ペットボトルの製品は、飲料に限らず自ら買わない、使わない。ペットボトル飲料は会議等で出されても口を付けない。マイボトルは必須。そんなことを主張していると、最近では、打合せ先でもマイボトルにお茶を淹れてくれるところが出てきた。牛乳は瓶入りを購入する。現在ペットボトルは中国が輸入を禁止したため、その行き先の一部がマレーシアに移ったが、大気汚染の問題が深刻なっている。
・詰め替え商品の選択を基本とする。
・シャンプー、リンスも変えてみた。シリコン、合成ポリマー、香料、着色料、合成界面活性剤などを使用していない製品を選択。
・クリアファイルの使用をやめ、順次紙のファイルに切り替え始めた(自分がいかに大量のクリアファイルを使っているかに改めて驚いた)。代償としては、ずっしりとした紙の重量だがそんなことは言っていられない。紙ファイルも100枚までと決め、それ以上の書類は資源回収に回すかメモにする。レシートは経費の申請上、基本的に受け取るが、メモ用紙にも利用している。表面が加工されており、単純にリサイクルに回せない場合がある。
・なるべく個人商店で買い物をするようにしている。しかし、最近、個人商店でもプラスチック系のトレイで商品が販売されている。本当は、面倒でも昔のように鍋を持って買い物に行きたい。
・プラスチック系のレジ袋はもらわない。紙袋は使い回す。米袋が安くて大量にモノが運べて便利である。DIYショップでも販売している。
・カフェではレジの段階で、砂糖やミルク、マドラーなど不要なものは断る。
・クリーニングでは、「立体仕上げ」をお願いしているが、ひとつの袋に3,4枚の衣類を入れてもらうようにお願いしている(そもそも立体仕上げにしなければいいではないかと思われるかもしれないが、せっかくクリーングしたのに折りジワは切ない。もちろんな)。プラスチック製のハンガーは、たまったところで返却。来週から、繰り返し使える衣装カバーを持ち込みそれに入れてもらうように依頼する。
・既に使っているプラスチック製品は、最後まで使い切り、責任をもってリサイクルに回す。
・「この服は、ペットボトルで作られている」、といった宣伝文句で安心しない。洗濯すれば想像以上のプラスチック系繊維が洗濯水とともに下水に流れ出すという事実、「その次」の問題にも注意を払うべきだ。
・SDGs(持続可能な開発目標)については、ゴール数(169のターゲット)が多い点に注視し、「我が社/わが市町はSDGsの内これとこれに取り組んでいます!」といった、場合によっては都合のいい取り組み宣言文句には監視の目を光らせる。またSDGs全体として見たときに、ターゲットにかたよりが出過ぎないような注意も必要だろう。
◆外務省 持続可能な開発目標(SDGs)について 
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/kokusai/02toukatsu01_04000212.html

◆169ターゲット
http://www.soumu.go.jp/main_content/000562264.pdf




皆様に強制するつもりはありませんが、こんなふうにやっていますので、ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。



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