平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

現代アート茶会 〜気炎万丈〜 掛川現代アートプロジェクト Vol.10 2018/02/07

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「気炎万丈」それが、今回の現代アート茶会のテーマである。
意気込みが他を圧倒するほど盛んであること。多くは意気盛んな談論についていう(『新明解四字熟語辞典』三省堂)、とある。
招待作家は、掛川市に窯を持つ竹廣泰介さん、プロデュースはご存知山口裕美さん、それを支えているのは、NPO法人掛川の現代美術研究会(代表:山本和子)の面々である。

今回は、4回用意された席のうち2回が竹廣工房と茶会の二部構成となっていて、まず、竹廣さんの工房を見学してから後、茶会へと流れていく段取りである。

作品を見ても陶芸家の人柄は見えないが、窯を見ると人柄が見えてくる、というのがわたしの持論である。そんな竹廣さんの窯を一言でいえば、「多様で一途」である。それが等しくわたしの竹廣さんの印象でもある。穴窯、電気釜、ガス釜と三つの窯を使いこなし、穴窯に火を入れると、4日4晩火を絶やさないという。それを年に2回から3回、それが限界ともいう。




茶席には、その床の間に大きな花器(松の炎釉薬)が客を待っていた。面取りと口の景色からは、自然に対する畏怖の念を感じずにはいられない。また水指、茶碗のひとつも竹廣さんの手によるものだった。
もちろん、これまでの現代アート茶会を飾ってきた、ミヤケマイさんのお軸(「初まり始まり」+軸先 竹廣泰介)、棗(「スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル」中村ケンゴ、アクリル加工:俵藤ひでと)、茶杓(「炎」東泉一郎)も懐かしく顔を並べる。

不相応を承知で正客となったわたしには、茶碗「十文字」(八代焼 隠れキリシタンがモチーフ)で茶が振る舞われた。まさに一期一会とはこのことである。また、やや大柄の次客のタナゴコロにおさまった大樋焼(大樋年雄)の茶碗も見事であった。
今回もうひとつうれしかったのは、寄付のお軸が、かの益田鈍翁(益田孝)のミミズクだったことだ。翁の自由奔放で大胆な生き方は、30代のわたしに多大な影響を与えた。

そうそう、升に入って回ってきた事任神社の袋をひとつ取り上げ覗き込むと、豆とおみくじが入っていた。ドキドキしながら開いてみると・・・なんと「凶」(汗) あとは、運が上がる一方である。


〈 2日間のプログラム 〉
2018年2月3日(土) ①茶会(夜咄編)    18:00~20:30
          2月4日(日) ②茶会と工房見学 10:00~14:00
                          ③茶会と工房見学 12:30~16:30
                          ④茶会(夜咄編)    17:00~19:30


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(↓)工房見学のあとは、二の丸茶室に移動。な、なんと、寄付のお軸は、なんと益田鈍翁(益田孝)。

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◆以下、スタッフが撮ってくださった茶席の様子をこの場に掲載させて頂きます。

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