平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

『GINZA』と『SWITCH』と  2017/06/22

ginza


◆雑誌『GINZA』(マガジンハウス, ISSUE.241、JULY.2017)が、新聞広告に掲載されたときから気になっていた。特集は「大好き!ファッション広告」である。

わたしのなかで、隙間だらけだったファッション広告史の前後関係がやっと俯瞰して整理できた。誠に有り難い仕事である。
また本誌ではファッション広告のコピーが、コピーライターごとに整理してあって、改めてライターの個性や切り口を味わうことができた。わたしの好きな、資生堂のコピー「一瞬も一生も美しく」(資生堂/2005)をつくった国井美果さんが、他にも「よく光るひとのふく」(ワールド・リフレクト/2006)、「この世のハルがきた」(資生堂・マキアージュ/2006)、「おくりものになろう」(パルコ/2003)「自分の王国をもとう。」(パルコ/2009)といった作品をつくっていたことがわかった。わたしはこれまでもコピーライターの仕事(というか態度)には特にうるさく文句を言ってきたが、本誌では名作鑑賞ができて、ある意味ほっとした。

そうそう、尾形真理子さんの「会えない日もちゃんと可愛くてごめんなさい。」(ルミネ/2014)、「あなたが思い出すわたしは、どんな服を着ているのだろう」(ルミネ/2010)、児島令子さんの「あした、なに着て生きていく?」(アース ミュージック&エコロジー/2012)、「美しい女の子より、賢い女の子より、変化できる女の子」(アースミュージック&エコロジー/2012)もいいよね。

本誌の目次は、以下の通りである。こうやって書き出してみると、雑誌の台割り(柱や前後関係)が参考になっておもしろい。もっと話が深まる対談や鼎談があれば、更によかった。

大好き! ファッション広告 
ファッション広告と写真家たち 
パルコ・ラフォーレ・ルミネの広告 
あなたの個人広告作ります。
スタイリストが作るファッション広告 
心に刻まれたファッション広告 
また会えたね、サマーガール! ビューティ広告への愛とオマージュを込めて 
TOM FORD BEAUTY 運命を変える7つの香り 
I.D.2017 DESIGN AWARD ガールズパワー、夢の軌跡 
名探偵ハリネズミがGINZA探偵社に! 2017-2018 秋冬 パリ ミラノ コレクション 
川久保玲/コム デ ギャルソン展@MET 
Swatch ginzamag.comをジャックせよ!
PRELYでちょっと素敵な贈り物 
夜の帳の音を聴きながら GUCCI 
”WORN DIFFERENT” Dr.Martens’ World in London 
コーネリアス・小山田圭吾インタビュー 
今日もコスメを買わなくちゃ 
ニッポン美人化計画 Make-up by UDA 
ENFOLD STYLE COUNCIL #65 
Working Girl DENHAM #12 
NOVARESE Road to Happiness III #06 
エナソルーナ Dear LADIES #10 
GYREと彩菜の12カ月 by 宮本彩菜


SWITCH1


◆雑誌『SWITCH』(スイッチパブリッシング,VOL.35.NO.7,JUL.2017)は川久保玲のメトロポリタン美術館で開催中の特別展「Rei Kawakubo/COMME des GARÇONS Art of the In-between」の特集だ。
冒頭に印象深い川久保の言葉が引用されていた。

「私はずっと既成の価値観や習慣、曖昧な常識といったものを拒絶することで表現を模索し続けてきました。そのための様式として重要だと思うのは、融合、不均衡、未完成、消去、そして意図の不在です。」

「融合、不均衡、未完成、消去、そして意図の不在」にこそ、In-betweenの答えがあるのだろう。


COMME des GARÇONS


・参考画像: http://www.switch-store.net/SHOP/SW3507.html  2017.6.22アクセス



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