平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

「いいたてミュージアム」始まる  〜いいたて勉強会〜   2016/02/01



いいたてミュージアムとは、東京電力福島第一原子力発電所事故により全村避難となった飯舘村のこと、飯舘村に起こったことを福島県内外に広く発信し、未来の世代へも伝えていこうというプロジェクトです。
村民のみなさんのお宅へお伺いし、みなさんにとっての「古いモノ」「大事なモノ」「歴史的なモノ」を見せていただき、それにまつわるお話を集めてきました。「モノ」にまつわるお話から見えてきたのは震災・原発事故前の豊かな村の姿でした。
昨年、初めての県外巡回展を行った東京・神戸・京都に引き続き、今年度は静岡県で巡回展を開催。ご覧いただくみなさまに「モノ」が語る力から、村の姿をお伝えできればと思います。(チラシより)


ともかくも、「アートで伝える考える 福島の今、未来」、「いいたてミュージアム」の両展示では、福島県立博物館 川延安直さん、小林めぐみさんには大変お世話になりました。そうしてとても多くを学びました。




◆(以下、「いいたてミュージアム」に寄せて、の原稿より)
 そこにあったのはただ、飯舘村のふだんの暮らしでした。商店会のチラシ、チラシで折られたゴミ箱、杉の廃材等々、なぜこれらが「展示」として成立するのか。福島から遠く離れた静岡では、そんなふうに躊躇したひとも少なからずいたでしょう。 
 ところが、何かをきっかけに、ただの日常がケースに収められ展示されていることの異常に気づくのです。それまで漠然と流して見ていた者の足は、再び入口へと向かい、今度は少しも前に進まなくなる。わたしはそんな光景を何度か目撃しました。
 会場となった金座ボタニカでの「いいたてミュージアム」は、乾久子の「くじびきドローイング」と階を変えて同時展示され、日常の異常は、言葉に変わり、絵に置き換えられるなかで飯舘村を考える機会となりました。その行為という展示は、あるときには希望へとつながりました。
 ある日、「わたし」の日常がケースに収められ展示されているところを想像する。「いいたてミュージアム」は、私事の展示なのです。



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モデレーターは港千尋さん、福島からは飯舘村文化財保護審議会委員の佐藤俊雄さん、静岡からはアーティストの乾久子さんがトークに参加した。

・開催日:1月30日(土)午後3時〜午後5時
・いいたてまでいの会主催「いいたてミュージアム」展(金座ボタニカ・静岡市葵区研屋町)の一環で「いいたてミュージアム勉強会」を開催した(事前申込み不要・無料)。
・主催:いいたてまでいの会
 共催:金座ボタニカ、静岡大学アートマネジメント力育成事業実施委員会

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左から 写真家・著述家の港千尋さん(2016年度 あいちトリエンナーレ芸術監督)、飯舘村文化財保護審議会委員 佐藤俊雄さん、平野雅彦、アーティスト 乾久子さん



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