平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

ブックカーニバル in カマクラ2015    2015/06/01

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【注意】会場では許可を取って撮影していますが、本ページの二人の作家の写真を二次使用する場合には、関係各位に許可を取る必要がありますので、ご注意ください。




「ブックカーニバル in カマクラ2015」は、鎌倉の由比ガ浜通りが大きな古本街になる。鎌倉という地の持つ力と本の魅力が交錯する魅力的なイベントである。主催者も出展者も客もみんながそれぞれの場で楽しんでいるのが伝わってくる。わたしは昨年に続き、今年も何とか時間の隙間ができたので出掛けることにした。

◆ブックカーニバル in カマクラ2015 公式サイト
http://bookcarnival.jimdo.com

古本市と同時開催された「本談会」(於:古民家スタジオ・イシワタリ)では、第2部の写真家詩人・沼田元氣さんの「雑誌『こけしの時代』は憩の園」、第4部の絵本作家・西巻茅子さんの「私と絵本と鎌倉」の話をうかがうことができた(ちなみに第一部は中川ひろたかさん、第三部は名取明香さん)。

時代はカフェブームをサードプレイスと読み替えて上手に発信しているが、その先駆けとなったのはやはり沼田元氣さんの喫茶店文化の蒐集・編集だとわたしは見ている。また、江戸時代末、東北の温泉地で生まれたこけしは今や若い女性の間でも静かなブームになっているが、再燃させたのは他でもない沼田さんの仕事である。沼田さんのそれは今や趣味の域を超えて、研究者ですら彼の成果を無視しては先へは進めないほど厚みを増している。

その活動は、こけしとロシアのマトリョーシカ(日本のこけしや人形が原点になっているという説が多い)を結び付けることで国交問題に一役買うほどの力を持ち始めている。また沼田さんは国内でも3・11の復興と「こけし文化と観光」を慎重に重ねあわせながらプロジェクトを進めている。

本談会のあと、会場の目と鼻の先にある沼田元氣さんのお店「コケシーカ(木形子可)こけし時代社」に出撃!



◆コケシーカ公式サイト
http://www.kokeshka.com




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( ↑ )沼田さんから参加者全員に配られたお土産。


一方、第四部の西巻茅子さんの存在は、絵本『わたしのワンピース』(こぐま社)や『はけたよ はけた』(偕成社)でご存知の方も多いだろう。「にしまき かやこ」と平仮名で記すと、その字面から記憶を呼び起こす方もいるだろう。場合によっては、あの絵本も西巻さんだったの!!と驚くだろう。

今回、西巻さんは、主に『わたしのワンピース』を採り上げ、1969年の発売当初のこぐま社との関係、編集の現場、当時の出版業界の実状などを語って聞かせてくれた。編集会議や原稿料、印税の話が、たんに面白おかしく話されるだけでなく、絵本作家としての思いや立ち位置が熱く批評的に語られた。各ページ細かな絵や展開の問題などについても聞かせて頂きひじょうに興味深かったが、このことについては西巻さんご自身がどこかで今後語書かれるだろう。ご本人が話されたのは事実だが、わたしがここで書いてしまってはいけない気もする。極少人数だからこそ話された内容だったかもしれない。

ところで『わたしのワンピース』は発売当初の評判はあまりぱっとしなかったらしい。ところが東京子ども図書館の司書が、「図書館にいつもない本」(つまりいつも貸し出されている本)という内容の評論を書いてくれたところから火がつき、一気に話題の絵本となったそうだ。今や国民的なロングセラーの絵本として不動の地位を占めているといっても過言ではない。
このことは同時に、司書という仕事の重要性を教える。


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今年は10冊程度の戦利品を抱えて帰省した。

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( ↑ )はるばる鎌倉までやって来て、出店している友人smookyさんに会う。
     smookyさんは装丁家であり、ノート職人。来年の出店も期待しています。


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出展者一人ひとりと話し込みたくなるが、時間もないし、やっぱりご迷惑なので、そんな気持にポンピングブレーキをかけ、ぐっとガマンする。

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( ↑ )スタンプラリーでもらえるオリジナルバッグ。種類も6種類から選べる。あ、昨年よりも緑のバージョンが増えている。

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( ↑ )最近、わたしのもとからTさんへともらわれていったこけし軍団。有名な工人(こけし職人をそう呼ぶ)の作品もある。  もうコレクションからは足を洗った。  ふーっ。



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