平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

『わたしの芹沢銈介展』(静岡大学 人文社会科学部「情報意匠論」学生企画)  2014/06/05

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 ( ↑ )この写真のみ、学生Tさん撮影


本企画『わたしの芹沢銈介展』の基本設計は、静岡大学 人文社会科学部 言語文化学科の2年生 5人が授業「情報意匠論」の中で行いました。

その基本設計をたたき台にして、静岡市立芹沢銈介美術館のベテラン学芸員Sさん、日本民藝館(東京)から異動されてきた学芸員Kさん、S館長の3名の懇切丁寧なご指導のもと、はれて学生企画の展覧会が実を結びました。

展示が終わると、いつもの小さなギャラリーが極めて静謐な空間となりました。準備段階のグチャグチャがウソのようです。これぞ芹沢作品の力です。


学生達は、展示のあいさつをこんなふうに結びました。

              
           ごあいさつ

 わたしたちは、静岡大学人文社会科学部の「情報意匠論」という授業を履修したのをきっかけに、人間国宝・芹沢銈介という人に興味を持ちました。
 何度も静岡市立芹沢銈介美術館に通い、じっくりと作品と向き合うことをしました。そうして、芹沢銈介さんの作品を観る人には、大きく分けると二通りあることに気づきました。
 一つは、作品を通して癒やされるという人たち。その一方で、緊張感が伝わってくるという人たちもいます。なぜか両極端なのです。実はこれこそ芹沢銈介という人の魅力ではないでしょうか。もしかすると、染色という手法が作品を柔らかくみせるのかもしれません。
 芹沢銈介さんと親交のあった人々は決まってこう言うのです。

          「とにかく、きびしい人でした」

 その言葉に出会う度に、あの丸い籐の椅子に腰掛けた芹沢銈介さんの表情を思い浮かべるのです。それは穏やかな顔つきにも見えますし、同時に厳しくも見えます。まさに氏と作品の印象は等しいのです。
 ところで、美術館に通っているうちに、静大の学生にも、もっと芹沢銈介さんのことを知ってもらいたくなってきました。そこで、美術館と相談し、附属図書館のギャラリーにて作品を展示する計画を立てました。また、図書館に協力を仰ぎ、芹沢銈介さん関連のミニコーナーも設置することができました。 
 わたしたちの中には学芸員資格を持った者もまだいません。でも、みんなで芹沢銈介美術館の好きな風景を写真に収めたり、それに文章を添えたり、美術館の学芸員の方々に指導を仰ぎ、この会場の展示もしました。とにかく楽しかった。どうぞ、みなさんもいっしょに楽しんでください。そうして芹沢銈介美術館にもぜひ足を運んでみてください。

                             2014年6月

   みくも会 静岡大学 人文社会科学部 言語文化学科 2年 
     加藤美季  増田遥  申知踰  武田恵美  土手香澄




( ↓ ) 学芸員Kさんから、指導を受ける学生たち。
「展示ってこんなに厳密に行っていたんだ」とか「こんなところに小さな工夫をするだけで、作品が立体的になるんだ」とか、気付きがたくさんあった。きっと次に美術館に行ったときに、空間や美術作品を見る目が変わるだろう。

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( ↑ )学生達との打ち合わせで、展示の方向性を決める。


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◆ギャラリーは、土日が休館です。平日は9時〜17時開館。

◆展覧会基本設計は、学生たちが、授業「情報意匠論」の中で行いました。
みくも会(静岡大学 人文社会科学部 言語文化学科 2年) 
     加藤美季、増田遥、申知踰、武田恵美、土手香澄

※本企画は、静岡大学人文社会科学部の学生と静岡市立芹沢銈介美術館の共同企画です。ポスター等もすべて学生が制作しています。
授業は2013年度後期で単位も出て終了していますが、それ以降も学生たちは活動を続けてくれています。優秀な学生たちで、救われています。



◆静岡市立芹沢銈介美術館家 公式サイト
http://www.seribi.jp


【追記】2014.6.7 静岡市立芹沢銈介美術館の白鳥学芸員の講座は、目から鱗の連続であった。司会進行は、学生が行う。

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( ↑ )附属図書館内に設えられた芹沢著作のミニコーナー。


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