平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

『はじめての美術 絵本原画の世界2013』(静岡市美術館) + 『静岡の名手たち』(静岡音楽館AOI) 2013/09/15



ehon


http://www.shizubi.jp/exhibition/future_130914.php



静岡市美術館で『はじめての美術 絵本原画の世界2013』を大変に興味深く観た。福音館書店の「こどものとも」が、その展示作品のベースになっている。

わたしはこれまでにおそらく絵本を5000冊以上は読んできた。手元にもそれぐらいはあるだろう。一般の大人に比べたら、おそらくそれなりの絵本読みである。

http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1410.html

『ぐりとぐら』(「こどものとも」93号 1963年12月 山脇(大村)百合子)も『おおきなかぶ』(「こどものとも」74号 1962 年5月 佐藤忠良)、『ふるやのもり』(「こどものとも」106号 1965年1月 田島征造)、『ごろごろにゃーん』(「こどものとも」238号 1976年1月 長新太)も原画で観ると、当たり前の話だが、勢いやぬくもりが明らかに違う。

展示してある原画の側には物語は添えられていない。それによって、例えば、親が子に絵本を読んで聞かせることとは違った回路の会話が増えるし、原画ときちんと向き合うことが可能になっている。こういう点はよく考えらた展示である。
そもそも画を見ただけで自然と物語が口を衝いて出る。特に絵本というのは、(漫画以上に)画と言葉が切り分けられないメディアなのである。

静岡県は三島市出身 小出省吾(話)『のろまなローラー』(「こどものとも」113号 1965年 山本忠敬)の原画が4点あったのはうれしかった。確かに巡回展だというのはわかるが、地元の絵本画家の部分には、それを記したキャプションがあってもいいだろう(秋野不矩ぐらいになれば多くの人が地元静岡の出身だと知っている。この展示では『うらしまたろう』「こどものとも」200号記念増刊号 1972年11月 の原画の展示が冒頭を飾っていた)。
そうすることによって、驚きもあれば、興味の深さも変わってくる。『のろまなローラー』には、三島の風景がたくさん出てくるんですよ。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1627.html


『ごろごろにゃーん』はこんなふうに付き合ってみるのもいい。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1723.html

参考文献:『はじめての美術 絵本原画の世界2013』図録


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◆静岡音楽館AOIで『第18回 静岡の名手たち』を聴く。
http://www2.aoi.shizuoka-city.or.jp/concert/detail.php?y_yoyaku_day_uid=9451

AOIの孵化器としての役割を改めて認識した。出掛けて正解だった。収穫だ。2012年の「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」通称劇場法が施行される以前から、AOIでは、芸術総監督の野平一郎さんを頭に据え質の高い音楽を提供してきた。その成果がまさにこのコンサートの仕組みそのもに反映されている。
静岡大学アートマネジメント力育成事業の「劇場・美術館トーク演習」(2013年9月24日)では、学芸員 小林旬さんとの対談が益々楽しみである。



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