平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

「後先」が重要だ  2007/07/22

mozi yuki1

 以前、作家の井上ひさしさんを塾頭に「いろはにほん塾」という講座を立ち上げた(その何回目だったか、雪の銀座で、井上ひさしさんが行方不明になり冷や汗も凍りつきました・汗凍汗凍汗)。この塾を通して、井上さんからは実におおくのことを学んだ。
 そのひとつが、「問題解決は、まず重要(重大)な順に書き出すこと。いちばん重要なことを上からふたつ解決すると、みっつめ、よっつめが同時に片づくいてしまう」という教えだ。
 これは事実である。わたしも井上さんのアドバイスを忠実に守り、そのあと何度か現実の問題に当てはめてみたが、成果は確実に上がった。要するに、何をどういった順に並べるのか、ということである。並べ方で、見え方も変われば、成果もがらりと変わってしまう。


 物事は「後先」が重要だ。これはイベントでも授業でもレポートでもゴーコンでも大変に重要なことである。あえて云うなら、中身よりも後先の方が重要なぐらいだ。校長先生の挨拶からはじまる運動会と、いきなり騎馬戦から始まる運動会の違い。朝からオープンするパン屋さんと黄昏時から開くパン屋さんの違いなどを、ちょっと思い浮かべてみるといい。まったく同じものでも、何を先に持ってくるか、どう並べ替えるかである。
 まぁ、井上さんはそこまでおっしゃっていないけれど、今こそ、井上ひさし流に学ぶべきだ。

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