平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

自然科学系の書評は久しぶり  2010/04/07

inoue

オンエアを見られなかったので、DVDで鑑賞。


ここ数年、原稿依頼のテーマは、まちづくりについてとか、人文系の書評が多い。他にもメディア論やら、日本語についてとか、日本文化についても意見を求められる。

だが、つい最近、自然科学系の書評を久しぶりに頼まれた。
原稿を依頼してくださったのは、「独立行政法人 科学技術振興機構」Japan Science Technology Agency
http://www.jst.go.jp/

なぜわたくしに、しかも自然科学系の仕事をふってくださったのかは、うかがっていないのでわからないが、実は、「バケガク」出身のわたしには、これがけっこう、うれしかった。今でも、全読書のうち、だいたい3割は自然科学系の本なのである。
そんなわけだから、今回も取り上げたい本はすぐに何十冊と浮かんだ。文字数は4000。原稿用紙10枚だ。多いようで書き出してみると意外と少ない量だ。
グールドやドーキンスの前に、植物学の中尾佐助や『蜜蜂と花時計』の内田亨(この人静岡生まれ)、鳥類研究と言えば山階芳麿も外せないし、静岡人としては長岡半太郎も必読の書だ。わたしにナウマン象や化石のおもしろさを教えてくれた井尻正二。日高敏隆や中谷宇吉郎はどうするんだ。天文学では『星の歳時記』の石田五郎でしょう(いや、やっぱり野尻抱影かな)。以前もどこかに書いたけれど、数学者の三上義夫や高木貞治を知らないとまずでしょう。医学では『小鳥の春』の小川正子ですかねえ。精神科医の呉秀三も再読したい一人である。あ〜 絶対に『胎児の世界』の三木成夫も挙げないとね。う・・・きりがない。

結局わたしはこれらのすべてを切り捨て、「生態心理学」というジャンルをテーマに据えて、二冊の本を取り上げた。そのうち、サイト上にもアップされ、冊子にも掲載される予定である。


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