平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

理想の職場と就活相談  2010/03/31

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今年度も学生から、就職活動について何件もの相談を受けた。正確な数字を覚えているわけではないが、たぶん二十件を超える数だとおもう。ちなみにそれは静岡大学の学生によらない。
結局、メールなどでは埒があかず、個別に会っていろいろと話を聞くことになるのだが、基本的にわたしは聴くことしかできない。わたしが学生の希望としている就職先を斡旋できるわけでもないし、あらかじめ気の利いたコメントをストックしているわけでもない。話を聞いているうちに、そもそも落ちこぼれのわたしに就活の相談をしてくることじたい間違っているんじゃないかと思えてくるケースさえあった。実際、最後は学生から「がんばってください」と励まされることもあった(本当にありがたいことである)。
そもそも、働くということにおいて、最初から理想の仕事(職場)というものがあるのだろうか。わたしの観察では、どうも多くの学生は最初から自分の理想とする職場というものがこの世のどこかに存在していて、それを何とか探し出そうと一所懸命もがいているようにみえる。この場合の理想の職場というのは、(職場の方が)「わたしという才能」「わたしという価値」を認め、じょうずに活かしてくれることだ。

だが現実は違う。なぜなら、自分で自分の居場所をきちんと見つけていくことが、自分を活かす唯一の方法だからである。それはある意味、業種選びで達成されるものではない。自分で作り出した理想の環境こそが、理想の職場となる。ただそれだけのことである。決して最初から理想の職場という環境がその辺に横たわっていて、それをじょうずに見つけ出すことが就活ではない。


      

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伊豆の国市役所のNさん、伊豆市役所のUさん、同じくWさん、JA伊豆の国のYさん、大変お世話になりました。CMのプレゼンテーションはいかがでしたか。函南町役場のAさん、参加できず残念でした。次回は再会したいですね。

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スリッパを使わないときに機能するスリッパ用の下駄箱である。スリッパを主語にするならば、使われていないときに勝手にメンテナンス作業を受けている、というところがポイントである。
各段の左右の壁面から紫外線?が出て、殺菌している。


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