宇宙規模のお仕事 その後 2010/02/15

写真向かって左奥や手前に米国のスペースシャトルやロケットが飾ってありますが、宇宙服はソ連のソユーズのものです。キャプションによれば、T-9 カズベック操縦席とあります。
そもそも私の年代(1960年代前半生まれ)の多くは、切手集め、野球、空想社会へのあこがれ、この三つはだれもが罹る麻疹のようなものでした(その後ヒーロー天国へと誘われます)。
ご多分に漏れず、わたしも小学生時代にとりあえずこの三つの流行に感染しました。
特に切手集めは、最初は少額の小遣いで一枚二枚と集めていましたが、あるときに財力を持った(たいした財力ではありませんが)父親をコレクター仲間に引きずり込み、以後あっという間に趣味週間、国立公園・国定公園(第一次、第二次)、国際文通週間、東海道五十三次、花、魚、オリンピック、万博と、集めに集めてストックブックが何冊にもふくれあがった経験を持っています(コレクションというものは、一気に集まるととたんにつまらなくなるものです)。
一方、空想社会へのあこがれについては、その多くを漫画雑誌の巻頭2色刷りの画で学びました。特にわたしの興味を捉えて放さなかったのは、劇画タッチで描かれた宇宙世界でした。タコ型宇宙人、葉巻型円盤、宇宙戦争など、それは、それは、心躍らされたものでした。それからしばらく間は、その流れの中で、宇宙、宇宙開発、宇宙船などに興味を持ち続けました。
それらの情報に関しては特段詳しいわけではありませんが、今でも当時覚えたソ連と米国のロケット開発の歴史ぐらいは辿ることができます(子どのころの記憶はすごいですね)。試しに何も見ないで書いてみます。
1961年4月12日 ソ連のボストーク1号がガガーリンを乗せて地球を一周します。
それを追いかけるようにして同年5月5日 には米国のフリーダムが有人弾道飛行を果たします。
(年号までは言えませんが)その後ソ連のボストークは、ボスホートへとバージョンアップし、さらにその後継機ソユーズとへつながっていきます(わたしが知らなかったのは、ソユーズとソユーズT型の2タイプがあったこと)。一方、米国は、フリーダムのあと、フレンドシップ、ジェミニ、アポロ、スカイラブと次々と宇宙船を開発をしていくのです。60年代、70年代はまさにソ連と米国の宇宙技術開発競争の時代でした。
さて、そんなわたしの知識の程度(もちろん高くないという意味で)をご存じだったのか、いつもお世話になっているテレビ静岡さん(フジテレビ系列)から鑑定の依頼がありました。何の鑑定依頼かといいますと、なんと「宇宙服」です。あるスーパーマーケットの本社に飾られている宇宙服が本物かどうか見て欲しいというのです。
さっそく現場に行ってきました。で、結論から言うと、本物かどうかはわかりませんでした。
そもそもソ連は1991年12月に国が解体したときに様々な国家レベルのコレクションがオークションに大量流出しました。もちろん宇宙開発に関するものも例外ではありません。したがって、何らかの理由で日本に本物の宇宙服があったとしても不思議ではありません。石川県のある博物館のコレクションはそういった状況の中で入手したものらしいのです(宇宙関係に詳しいKさん情報)。
さて、このスーパーマーケットになぜ宇宙服があるのかということは放送に任せるとして(簡単に言うと、あるイベントがきっかけで手に入れた)、わたしも実物と直接向かい合いました。

宇宙服が本物かどうか、あくまでも簡易な方法ですが、いつかの見るべきポイントがあります。まずわかりやすいところでいえば、本物なら宇宙服の計器類が逆に付いています。逆というのは、文字盤が鏡文字になっているという意味です。なぜなら、宇宙服によって頭顔部が固定されているため自分の胴体に取り付けられた計器類が一切見えないからで、それを克服するために腕に付いた鏡でそれらを見るようになっているのです。
それからもう一点は、宇宙服は、重力、温度などの過酷な条件の中で人間の生存を約束し、また複雑で細かな作業をするために特殊な素材が幾重にもなっているのです。それは12重、14重といった具合です。イミテーションならそこまでする必要はありませんものね。しかし、その事実を確かめるためにスーパーマーケットの現場で、宇宙服を切り刻むわけもいきません。
もう一つ重要なのは、たとえ本物だとしても実際に宇宙に行った宇宙服かどうかという問題が残ります。それは宇宙飛行士が着て宇宙で活動をした宇宙服かもしれませんし、宇宙へ行ったスペアの本物かもしれません。あるいは宇宙へ行かなかった本物のスペアかもしれないのです。・・・真相は闇の中へ。
で、ここでテレビ静岡さんには、ある強力な助っ人を紹介しておきました。ジャーナリストの・・・。
今後の調査で、果たして真贋は判明するか・・・。幸運を祈ります、テレビ静岡アナウンサー木村英里さん!
http://mt-man.sut-tv.com/eri/2010/02/post-217.html
http://mt-man.sut-tv.com/eri/2010/02/post-219.html
それからプレビューのこのページ(↓)のメモをとる女性(女子大生)は、当日ロケのお手伝いをしてくれた情報意匠論履修生の静岡大学Aさんでした。お疲れ様でした。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1071.html
このページ(↑)で、木村英里アナがスーパーマーケット店内でお客様にしているインタビューは、「このスーパーマーケットに本物の宇宙服があるって聞いたことがありますか(知っていますか)」でした。

その他にも二点の宇宙服があるのだが・・・
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ムチウチの症状は相変わらずです。これは10㎏で牽引している之図です。無重力だとムチウチの治療は困難でしょうね。
冗談を言っている場合ではないのです。
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