平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

「しない」という方法  2010/01/31

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車椅子でも、百歳を超えても、未だに舞台に立ち続ける大野一雄のある方法とは。


村上春樹は自分の作品について書かれた文章を一切読まないという。確か、エッセイかインタビューの中でそんな下りを読んだ記憶がある。邪念が入ると自分のリズムや文体が狂うからだ。村上は「読まない」という方法で結界を立てている。

舞踏家・大野一雄。 
http://www.kazuoohnodancestudio.com/japanese/
彼の口からは、ただの一度も雑然とした時代を語る言葉を聞いたことがないという。脂の乗り切った50代、60代の大野一雄をずっと撮り続けていた写真家から、つい先日聞いたばかりの話である。自分の口から邪悪なものを一切発しない。きれいな言葉だけを紡ぎ出す。それがアーティスト大野一雄のスタイルだ。
YさんやKさん、みなさん、そんなに心を掻き乱す邪悪な文章なら、読まないという方法がいちばんです。読まない、見ない、そういった積極的選択です。

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