平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

コウモリはなぜ逆さまにぶら下がるのか  2007/07/20

koumori

 そんなことどうでもいいことでしょ、という某氏の声が聞こえてきそうだ(苦笑)
その通り。どうでもいいことだ。でもどうでもいいことの方に興味がわくのだから仕方がない。だいたい、呑む席でこんな話を持ち出すと、怪訝な顔をされるか、話は変わるんだけど、といってゴーインにハンドリングされて、この手の話題はもって3分。世の中の興味なんて、しょせんそんなものである。
 そもそも科学(もちろん化学も生物も数学も)はイマジネーションでしょう。
 で、考えてみた。考えてみるという態度が重要なのだ。
まず最初に浮かぶのは、逆さまにぶら下がっていた方が、いざというときにすぐに飛び立つことが可能だからである。いきなり反重力方向に飛び立つには相当な羽の力が必要となる。コウモリはきっと、重力を利用することによって「落ちながら飛び立つ方法」を獲得したのだ。そこが鳥類と進化を異にした点だ。そういえば闇夜に飛び回る蛾も、コウモリの超音波を浴びると、「落ちる」ことによって敢えてランダム飛行に切り替え、難を逃れる方法を獲得した。
 他にも理由が考えられる。葉っぱのようにぶら下がっていることにより、外敵から身を隠すことが可能だからだ。いわゆる擬態である。もちろん頭に血が上らないような進化も獲得しているのだろう。わたしが記憶していることに間違いがなければ、今から5300万年前のイカロニクテリスが最古のコウモリの化石だ。羽が異常に発達しているのは、獲物に覆い被さるようにして昆虫類を捕獲していたためだろう。
 どうでもいい話ですみません。どうでも良くないけど。

※写真はわたしの部屋に飛ぶコウモリ。もちろんつくりもの。


バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を「100件」に選択すると見やすくなります。

現在地:トップページ脳内探訪(ダイアリー)

サイトマップ